疲れ切った障害児ママへ「ショートステイ」で一晩子供と離れませんか?

以前、SNSのフォロワーさんからの声で、「子どもを預けられる場所」についての情報を知りたいというコメントがありました。
しかも、一人ではなく何人かに頂きました。
これについてお伝えできることがあるなと思ったので、記事にさせていただきます。
もしこの件で困っている方がいたら、ぜひ私と一緒に動き出してみませんか?
子どもが宿泊できる「短期入所」という福祉サービス

近くに頼れる親戚がいない、完全なワンオペ育児…。
定型発達の子だってしんどい状況なのに、障害のあるお子さんだったらそのしんどさは桁違いですよね。
そんな、もう疲れ切って限界を迎えたお母さんに、ぜひ検討してもらいたい福祉サービスがあります。
「短期入所」です。
これは、一言で言うと施設に子どもをお泊りさせるサービスです。
「ショートステイ」とも言います(英語に変わっただけ)。
一泊とか、二泊、三泊とか、その辺の制限は施設によってまちまちですが、とにかく一度子どもとがっつり離れることができます。
障害児のショートステイどんな時に使うの?

短期入所は、基本的に保護者に何らかの体調不良や用事が発生して子どもをみられなくなってしまった時のため、もしくは保護者のレスパイト(休むこと)のためのサービスです。
いわば、お母さんが本当に体調を崩した時や、冠婚葬祭などで困ったときの命綱です。
でも、そんなのっぴきならない事情ではなくても、ただ疲れ切って追い詰められてしまったお母さんに休んでもらうための、リフレッシュとして使うのもおおいに結構です。
というのも、本当に緊急事態が訪れた時に、いざはじめましての施設に預けようと思っても、二つ返事で受け入れてくれる施設なんてほぼ無いからです。
何もない時から、定期的に子どもを預け、施設との関係性を構築しつつ、子どもにも施設にも慣れてもらって…という実績があってこそ、いざという時にスムーズに預けられるのです。
あとは、例えば特性で夜寝ない子っていませんか?
そういうお母さんには、特に利用を検討してもらいたいです。
短期入所は、施設によっては預かり時間が短く、夕方預けて翌朝引き取りに行かなければならないようなパターンもあります。
短かっ!!と思いますが、確実に夜は預かってもらえます。
そういうサービスなので。
ですから、いつもいつも寝ない我が子につきあって、睡眠不足が限界を迎えているお母さんには、最も有効なレスパイトになるのではないでしょうか。
ショートステイは罪悪感?家で経験できない刺激も!

子どもを施設に預ける、そう文字に起こすと、なんとなく罪悪感に苛まれる方もいるのではないでしょうか。
でもそんなこと、罪悪感を感じる必要はありません。
なぜなら短期入所は、子どもにとっても大切な経験になるからです。
生まれてからずっと、親と一緒に毎晩過ごしてきた子ども。
そんな子が、はじめて親と離れてよその場所に、家族以外の大人と一緒に泊まる。
最初は随分泣いたり暴れたり、たいへんな思いをするかもしれません。
でもその経験を避け続けていたら、その子はいつまでも、親と一緒にしか暮らせないのではないでしょうか。
頻繁でなくていいのです。
例えば二か月に一回とか、その子に無理のないペースで定期的に施設にお泊りさせてみることで、家では与えられなかった経験や刺激を体験させ、成長を促すことができます。
だから、「私が休むために子どもを犠牲にしちゃって申し訳ないわ…」なんてとんでもない! 子どもの成長のためでもあることなのです。
短期入所は「障害者手帳」の取得が前提

「短期入所いいじゃん!」と思ったあなた!
ここで一つ、重要なことを伝えなくてはなりません。
短期入所を利用するには、障害者手帳を取得していることが大前提なのです。
この短期入所という福祉サービスは、基本的に障害者手帳を持っている人のためのサービスです。
ですから利用したかったらまずは、手帳を取得しなければなりません。
障害者手帳を取得する?「診断の覚悟」の先に
でも、ここで新たな「手帳を取得するのか?」という問題が発生します。
ちなみにですが、息子が持っているのは東京都の「愛の手帳」です。
これは、知的障害があるとはっきり診断を受けた人のみに発行される手帳です。
他の種類の手帳でも利用できるのかもしれませんが、わからないのでそこはここでは割愛させて頂きます。
でもとりあえず、愛の手帳を持っていれば、確実に利用できるということは確認済です。
ただ、愛の手帳を取得するということは、自分の子どもが知的障害者であると、公的にはっきりと、認定されるということです。
障害の程度まできっちり断定されます。
ですから、まだ子どもの障害の診断を受けていない人にとっては、かなり大きな覚悟が必要です。
はっきり言って、手帳を取得したからといって、差別を受けたり進路が限定されたりするということは、一切ありません。
言いたくないなら言わなくても良い事ですから。
実際、私は息子が手帳を持ったからといって、困ったことはひとつもありません。
でも、「自分の子が知的障害者だと正面から受け止める」この精神的負担は、親にとってはなかなかのものだというのは私にもわかります。
こんなの誰かに促されてするものでもないし、決心するタイミングも人それぞれ、そもそも本当に障害がない可能性だってありますし、手帳の取得については、私からは何も言えません。
ここで言えるのは、「短期入所のサービスを使うには手帳が必要」ということだけです。
ちなみに、もし知的障害がなかった場合に手帳の申請をしても、ただ「該当なし」と突き返されるだけの話です。
障害者手帳に関しては、下記の記事もにもまとめています。よかったらご覧ください。
気になった人たちへ…今すぐ何をやるか

それでも「短期入所利用したい!」という方、ではまず何をしたらいいのか?
まず、まだ手帳を持っていない人は、児童相談所に電話して手帳取得の流れをきく、ここからです。
申し訳ありませんが、知的障害がない、もしくは手帳の申請をしたけど「該当なし」となった場合、この記事で書いたことは、全て絵にかいた餅になってしまいます。
お時間取らせてすみませんでした。
知的障害以外だと、肢体不自由や医療的ケア児も、こういった短期入所ができると思います。
ただ、それ以外の障害の子向けの似たようなサービスがあるかどうかは不明なので、私も今後わかることがあれば、発信していきたいと思います。
次に、手帳を既に持っている人、そういう方は、次のステップに進めます。
役所の障害福祉サービスを扱う課に電話して、「短期入所の受給者証を取得したい」と言って下さい。
「障害福祉サービスの受給者証」でもいいかもしれません。
短期入所を利用するには療育とは別の、新たな受給者証が必要なのです。
まずはこれを発行してもらってください。
ちなみに、この受給者証、届くまでに1か月ほどかかります。
さらに、届いてから、親自ら預かってくれる施設を探さなければなりません。
リストはもらえるのですが、どこに電話しても、おそらくなかなか即利用できるところはないと思います。
たいてい一か月二か月先まで埋まっていると思うので、今から動いて…いつ利用できるかな?という所でしょうか。
せっかくなら、長期休みははじめて短期入所を利用してみるのにベストなタイミングだと思うので、そこに向けて、ぜひすぐに動いてみてください。
今回は、参考になる人が限られてしまう記事でしたが、ここまでお付き合いくださりありがとうございました。