管理者プロフィール
未分類

突然ですが、あなたは「知的障害」をきちんと説明できますか?

amami0702
アマミ
アマミ

こんにちは!

障害児ママライターの
べっこうあめアマミです。

知的障害を伴う自閉症の息子ときょうだい児の娘を育てながら、
「障害がある子ども」ではなく
「障害児のママ」に軸足をおいた発信を続けています。

障害児育児をもっと楽に、
ママの笑顔につながればうれしいです。

「知的障害と発達障害って、何が違うの?」

「なんとなく、発達障害より知的障害の方が重い脳の障害って感じがするけど…」

以前、息子に自閉症と知的障害があることを友人に話したら、こう返ってきたことがありました。

その時気づいたのです。

「知的障害」と「発達障害」を正確に説明できる人って、実はそんなに多くないんだろうっていうことを。

私自身もちょっと自信がありませんでした。

一番根本的なところに立ち返りますが、今回は、「知的障害って何なのか」について、改めて考えてみました。

知的障害の定義ってなに?

先の質問を友人にされた時、私は友人にこう答えました。

アマミ
アマミ

「知的障害は、IQ(知能指数)が70以下の人のことをいう」

「発達障害は、発達の程度に凸凹がある人のことをいう」

正直、間違ってもいない回答かなと思います。

でも、今回改めて調べてみると、ドンピシャ正解でもないということがわかりました。

発達障害については別記事で詳しく書くとして、知的障害については、ちょっと説明が足りていないことがありました。

まず、知的障害は、厚生労働省によって以下のように定義づけされています。

知的能力障害(ID: Intellectual Disability)は、医学領域の精神遅滞(MR: Mental Retardation)と同じものを指し、論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、学校や経験での学習のように全般的な精神機能の支障によって特徴づけられる発達障害の一つです。発達期に発症し、概念的、社会的、実用的な領域における知的機能と適応機能両面の欠陥を含む障害のことです。すなわち「1. 知能検査によって確かめられる知的機能の欠陥」と「2. 適応機能の明らかな欠陥」が「3. 発達期(おおむね18歳まで)に生じる」と定義されるものです。

引用元:厚生労働省e-ヘルスネット「知的障害(精神遅滞)」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-04-004.html

はい、難しいですね。

でも、かみ砕いていえば、知的障害=精神遅滞であり、実年齢より精神的に幼いことによって、日常生活に様々な問題が生じてしまう状態、といったらいいでしょうか。

そして、「知的障害」を定義づけするには次の3つのポイントがあるようです。

この3つのポイントをおさえてこそ、「知的障害」をきちんと説明できたと言えるのではないでしょうか。

3つのポイント その①~知能指数~

先にも述べたように、IQ(知能指数)が70以下であることは、知的障害を定義づける重要なポイントのようです。

ちなみに知的障害は、IQ(知能指数)によって以下の4つに分類されます。

軽度  知能指数50~69程度

中等度(中度)  知能指数35~49程度

重度  知能指数20~34程度

最重度  知能指数19以下程度

参考: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「知的障害」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%A5%E7%9A%84%E9%9A%9C%E5%AE%B3#%E5%A4%A7%E5%B3%B6%E5%88%86%E9%A1%9E%E8%A1%A8

ちなみに、IQ70以上でもIQ70~85の間に当てはまる人は、いわゆる「ボーダー」「グレーゾーン」と言われたりしますね。

3つのポイント その②~適応機能~

適応能力とは、社会の中で生活していくにあたって、問題なく日常生活を送れるか、社会の中に適応して生きていけるか、というその人の能力のことです。

その適応機能に明らかな欠陥があるのも知的障害の定義の一つです。

知能指数が高くても、適応能力があまり無い人だっているでしょうし、逆に知能指数が低くても、適応能力が高い人だっているでしょう。

知的障害ではない普通の健常の人でも、成績はとびきり良いけど付き合いづらい人、逆にいつも赤点をとっていても人望があって人づきあいがうまい人っていますよね。

例えがあっているかわかりませんが、それに近いことなのかな…と思います。

3つのポイント その③~18歳までに生じる~

3つ目のポイントは、まだ発達段階にある子ども時代、すなわち18歳までの間に生じたかということです。

何が言いたいかというと、大人になってから病気などで知能指数や適応機能が低下し、上2つのポイントを満たす状態になったとしても、それは知的障害とは言わないということです。

これはわかりやすいですね。

息子の場合

ここで、私の息子のことを例にあげてみます。

息子はこれまで何回か検査を受けてきましたが、幼すぎたことや、知能が低すぎたことなどから知能検査を受けることは難しく、知能指数の代わりに「発達指数」を調べました。

主に未就学児の場合はこのように、知能指数(IQ)ではなく発達指数(DQ)を使うのが一般的です。

このDQという言葉は、発達に悩む子の母親なら、耳が痛くなるほど聞くようになる言葉です。

息子は、障害の診断を初めて受けた4歳の時に受けた新版K式発達検査において、発達指数(DQ)28という結果でした。

DQ28…低いですよね。

先に述べた知的障害の分類によると、余裕で「重度」にあたる数値です。

発達途中の幼児に使われるDQは、今後変動する可能性も大いにありますが、当時はそういう結果でした。

ところが、当時、息子の障害者手帳を初めて申請すると、中度」の知的障害という判定でした。

障害者手帳の判定は、発達検査の他に、親からの聞き取りや医師の診察など、専門家によるあらゆる角度からの見立てで下されます。

DQでいったら重度なのになぜ中度になったのか?

正確にはわかりませんが、おそらく、これは息子の知能指数に、適応機能が勘案されて導かれた結果なのかな…と思いました。

息子は確かに知能指数は低いだろうなと思います。

でも、親の私が言うのも変な話ですが、その割に集団の中であまり浮かないというか、空気を読むというか、うまく説明できないのですが、適応能力が高そう…というのは納得できるところでした。

このように、知能指数だけでなく、適応能力もかけあわせて判断されるのが、「知的障害」なのだと思います。

医学的に調べてもわからない障害

知的障害というと、私の友人のように、「脳に何か問題があるんじゃないの?」と思う人は多いと思います。

でも、息子の脳は、MRIをとっても全く異常がありませんでした。

これだけの重めな知的障害があっても、脳の見た目は普通の人と同じ。異常なし。

これってちょっと驚く人も多いのではないでしょうか。

もちろん、何らかの病気や先天的な異常があって知的障害がある人もいますので、すべての知的障害の人にあてはまることではありません。

でも、「自閉症で知的障害」というパターンの人は、息子のような人が多いのではないでしょうか。

赤ちゃんのうちに判明する障害でもない

また、「知的障害って生まれつきの障害だったら生まれてすぐにわかるんでしょ?」

息子と出会う前の私は、恥ずかしながらそんな風に思っていました。

でも、それも違います。

もちろん生まれてすぐにわかる子もいると思いますが、これも、「自閉症で知的障害」というパターンの人にはあてはまりづらいことです。

だって、息子は1歳半まで乳児検診でひっかかったことが一度もなかったんですから。

首すわりもずりばいもはいはいもおすわりも、全部遅れはありませんでした。

遅れがでてきたのは「歩くこと」からです。

それでも蓋をあけてみれば、生まれつきの「知的障害」でした。

赤ちゃんのときに異常がないからといって、絶対にないとは言い切れない障害なのです。

私が思う「知的障害」

ここまで知的障害について色々書いてきましたが、ここからは「私が感覚的に思う」知的障害とは何かということを、少し書きたいと思います。

私の主観なので、専門的にどうかはわかりませんが、参考にしていただけけたら幸いです。

息子を見ていると、知的障害は、「経験が積み重なっていきづらい」障害なのだなと感じています。

結局は認知能力や理解力が低く、精神的にも幼い故のことなのですが、教えたことが全然積み重なっていかないのです。

その時はできても、次の時は忘れてしまってまた同じことを繰り返す、また一から。

もしくは、何かができるようになってもある時突然できなくなる。

何かができるようになると、何かができなくなる。

そんな、砂漠の砂で城をつくるような育児をしています。

あくまで一母親の感覚なので、専門的にみたらどうかはよくわかりません。

でもこの感覚、同じような子を育てる親御さんたちなら、共感していただけるのではないでしょうか。

最後に総括として、もしあなたが「知的障害ってどんな障害?」と聞かれたら、次のように答えるのが適切なのかなと思います。

アマミ
アマミ

「IQが70以下で、適応能力に明らかな欠陥があり、実年齢に比べて精神的に幼い、その症状が18歳以下で発生する障害」

この記事が何か参考になれば、嬉しいです。

ABOUT ME
べっこうあめアマミ
べっこうあめアマミ
障害児ママライター
ライター&イラストレーター。知的障害を伴う自閉症の息子ときょうだい児の娘を育てながら、電子書籍作家としても活動しています。「ママがしんどくて無理をして、子どもが幸せになれるわけがない」という信念のもと、「障害がある子ども」ではなく「障害児のママ」に軸足をおいた発信を続けています。
記事URLをコピーしました