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突然ですが「自閉症」をきちんと説明できますか?

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アマミ
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こんにちは!

障害児ママライターの
べっこうあめアマミです。

知的障害を伴う自閉症の息子ときょうだい児の娘を育てながら、
「障害がある子ども」ではなく
「障害児のママ」に軸足をおいた発信を続けています。

障害児育児をもっと楽に、
ママの笑顔につながればうれしいです。

前回、「知的障害」についての記事を書きました。

私の息子は知的障害の他に、自閉症もあります。

この「自閉症」もまた、一言で説明するのが難しい障害ではないでしょうか?

正直、自閉症って知的障害以上に、説明するのが難しい上に誤解が多い障害だと思います。

今回は、そんな自閉症について、改めて調べてみました。

実際に自閉症児を9年間育てている母親目線で書いた「自閉症」の話です。

自閉症は発達障害の一つ

まず、自閉症は、発達障害の中の一つです。

発達障害は、いくつもの発達に関わる障害の総称ですが、この発達障害、いくつも種類があり、それぞれ併発するものもあったりとすごくややこしいため、相関を図にしてみました。

自閉症以外も含めた「発達障害」については改めて記事にするとして、今回は、この図の中の赤い枠で囲われた部分である、自閉スペクトラム症(ASD)について紐解いていきます。

自閉スペクトラム症とは

自閉スペクトラム症(ASD)は、以下のように定義されています。

自閉症とは、①他者との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする発達の障害です。その特徴は、3歳くらいまでに現れることが多いですが、成人期に症状が顕在化することもあります。中枢神経系に何らかの機能不全があると推定されています。

引用元:文部科学省「(7)自閉症・情緒障害」
(7)自閉症・情緒障害:文部科学省 (mext.go.jp)

発達障害の中でおそらく最も有名なのは、自閉症ではないでしょうか。

自閉症は、上記の定義にもあるように、社会性や言葉の発達の遅れ、こだわりが強いなどの特徴が目立つ障害です。

しかし、その症状をあげだしたら非常に多くてきりがなく、しかもその全てが全員に共通するわけでもありません。

自閉症は、定義づけしようとすると矛盾が出すぎて収拾がつかなくなってしまう、なんとも捉えどころのない障害だなと、個人的には思います。

内向的で極端に人と関わりたがらない人もいれば、逆に積極的すぎるほどに人と関わりたがる人もいます。

強いこだわりがあって、一つのことに集中すると他が見えなくなってしまうような人もいれば、飽きっぽい人もいます。

極端な偏食がある人もいれば、何でも食べる人もいます。

睡眠障害があってなかなか眠らない人もいれば、めちゃくちゃ寝る人もいます。

言葉を話す人もいれば、話さない人もいます。

知的の遅れがある人もいれば、知的の遅れがなく、むしろ普通より知能指数が高い人もいます。

そしてその全てを連続的に捉えた概念としてスペクトラム(連続体)という言葉を使っているのです。

これは端的に説明するのが非常に難しいですね。

しかも、自閉症は他の発達障害と併発することも多いです。

図にあるように、知的障害、ADHD、学習障害を自閉症と併せて持っている人もとても多いです。

そうなると、他の障害の特性ともあわさってくるので、余計に症状に幅が出てきてしまいます。

私の息子も自閉症がありますが、息子と同じ自閉症の子と会っても、同じどころか真逆だなと思うことも多いです。

そして、自閉症の中でも、知的の遅れがあるかないかは大きな分かれ目になります。

自閉症がある人の中には知的障害を併発する人が多いですが、知的障害を伴わない自閉症の人だってたくさんいます。

高機能自閉症とは

高機能自閉症とは、3歳位までに現れ、1他人との社会的関係の形成の困難さ、2言葉の発達の遅れ、3興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものをいう。

 また、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。

引用元:文部科学省「参考3 定義と判断基準(試案)等」
参考3 定義と判断基準(試案)等:文部科学省 (mext.go.jp)

高機能自閉症は、知的障害を伴わない自閉症のことです。

これはとてもわかりやすい定義づけです。

これ以上に特に説明することもなく、知的障害のない自閉症の人です。

知的障害がない高機能自閉症の人は、普通の人と何ら変わりなく生活できてしまうことも多いので、なかなか気づかれにくいこともあります。

アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群は、高機能自閉症と同じく、知的障害を伴わない自閉症です。

ただ、アスペルガー症候群の特徴として、「言葉の発達の遅れを伴わない」というのがあります。

知的の遅れもなく、言語コミュニケーションも普通にとれるので、気づかれずに大人になる人も多いようです。

正直、高機能自閉症とアスペルガー症候群の違いは微妙で、近しいものとして扱われることも多いようです。

アスペルガー症候群は知的障害を伴わないので、逆に知能指数が平均以上に高い人もいます。

よくメディアで取りざたされる「自閉症だけど何かすごい才能があって大成功している人」は、アスペルガー症候群の人が多いんじゃないかなと個人的には思います。

広汎性発達障害とは

広汎性発達障害(PDD)は、社会性やコミュニケーションに関わるいくつかの障害の総称で、その中に自閉スペクトラム症も含まれます。

私も実は、この記事を書くまで「広汎性発達障害って何なのかな?」と思っていたのですが、色々調べてみると、広汎性発達障害の中に自閉スペクトラム症もあるようなので、自閉スペクトラム症を含むもっと広いグループなのかな?と思いました。

自閉症かもしれないし、自閉症ともちょっと違うその他の発達障害かもしれない、でも何かしらの発達障害、というイメージでしょうか。

広汎性発達障害の中にはもっと細かく色々な名前の障害があるようなのですが、ここを掘り出すと長くなってしまいそうなので、この辺にしておきます。

(参考: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「広汎性発達障害」https://ja.wikipedia.org/wiki/広汎性発達障害

私が思う「自閉症」

ここまで自閉症について書いてきましたが、最後に、「私が感覚的に思う」自閉症とは何かということを書きたいと思います。

息子や他の自閉症の子を見ていると、自閉症って、『他人』の捉え方に問題がある障害なのかなと感じています。

自分と他人との境界線が曖昧で、他人と全然絡めなかったり、逆に初対面でもお構いなく近づきすぎてしまったり。

息子は普段から、いわゆるソーシャルディスタンスがけっこう広いのですが、その割に突然知らない人に抱きついたりと、距離感の測り方がけっこう謎な所があります。

他の自閉症の子でも、内向的で全然人と関わろうとしない子もいれば、積極的過ぎて他人の領域にはどんどん入っていく子もいたりと、「自分」「他人」という概念の捉え方に特性があるのかなと思っていました。

また、自閉症独特の行動と言われるクレーン現象

これは、自分の手の代わりになぜか人の手を使ってものを取ろうとしたり、何かを動かそうとする行動ですが、本人にとっては、自分の手も他人の手も同じく「何かを動かす道具」にすぎないのかもしれません。

あとは、息子は他人に対する興味が極端に薄いと言われたことがあります。

おそらくなのですが、そもそも彼の世界には「自分」しかいなくて、「他人」は自分劇場の背景の木や草と同じような感じなのかなと思っています。

この感じはもっと小さいときはより顕著にあったのですが、療育を進め、幼稚園などで集団行動をしていくことでずいぶん変化していきました。

今では、前に比べたらずいぶん他人に興味を持っているなと感じます。

ただ、他人に興味が薄い弊害として、「人の真似を一切しない」ということにはずっと困っています。

子どもはなんでも「真似をする」ことから覚えていきます。

生活の様々なマナーや生きるために必要な食事、排泄、衣類の着脱、言葉もそうです。

こういったこと全てが、「真似をしない」ことで大変難しくなってしまうのです。

ただでさえ知的障害があって認知能力や理解力が乏しく、教えてもなかなか積み重なっていかない子です。

それに加えて「真似しない」。

自閉症+知的障害がある子は、本当に何かを習得させるのが困難だなと、日々頭を悩ませています。

自閉症がある子の子育ては、当事者の親も、その周りの人も、本当に戸惑うことが多いと思います。

「なぜだろう…」と思ったときに、ふとこの記事のことを思い返してもらえたら嬉しいです。

ABOUT ME
べっこうあめアマミ
べっこうあめアマミ
障害児ママライター
ライター&イラストレーター。知的障害を伴う自閉症の息子ときょうだい児の娘を育てながら、電子書籍作家としても活動しています。「ママがしんどくて無理をして、子どもが幸せになれるわけがない」という信念のもと、「障害がある子ども」ではなく「障害児のママ」に軸足をおいた発信を続けています。
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