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就学について

【年長編①】知的障害&自閉症がある息子の就学活動記録

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アマミ
アマミ

こんにちは!

障害児ママライターの
べっこうあめアマミです。

知的障害を伴う自閉症の息子ときょうだい児の娘を育てながら、
「障害がある子ども」ではなく
「障害児のママ」に軸足をおいた発信を続けています。

障害児育児をもっと楽に、
ママの笑顔につながればうれしいです。

今回は前回に引き続き、
シリーズ2部作

【年長編】
「知的障害&自閉症がある息子の
就学活動記録」

について記事を更新していきます!

年長編はお伝えしたいことが
とても長くなりそうなので
2回に分けてお送りします。

前回のおさらい

重度知的障害&自閉症がある息子が
今の小学校に入学するには、
長い長い就学活動がありました。

2年弱かかった
「障害児の就学活動」。

前回の記事では【年中編】として、
息子の就学先について
情報収集した上で

「ちょっと背伸びをすることには
なるけれど、支援級で過ごした方が
息子は周りに影響されて
大きく伸びるんじゃないかな?

あと1年で身辺自立することを目標にしよう!
親子で頑張ろう!」

と夫婦で肩に力を入れたところまでをお伝えしました。

就学活動。あと1年で身辺自立!と意気込むも…

支援級に行くならクリアしたかった2つの条件

年中編の最後で、
支援級行かせたい!
と息を合わせた私たち夫婦でしたが

それはぶっちゃけ
就学までの
息子の大きな成長
を見込んでのもの
でもありました。

これはあくまで
私が勝手に思っていた基準であり
何の根拠もありません。
また、誰かからそうしろと
言われたわけでもありません。

でも私は
息子が支援級に行くとしたら
次の2つの条件をクリアしていたい
と考えていました。

それは、

  • オムツが外れていること
  • 何かしらの発語があること

です。

ただ、
はっきり言います!!!

アマミ
アマミ

年長スタート時点で息子
どっちもできていない^^;

まあ、とりあえず
それは置いといて…
(置いておけないけど)

息子が年長さんになったのは
2020年の4月
・・・

ピンときている方も
多いと思いますが、

このタイミングは
全世界規模で大混乱の時期

でしたよね…!

コロナ禍で突如終わりを告げた、就学活動。

2020年3月
息子の年中さん時代は
ある日突然
終わりを告げました。

なぜなら、

  • 新型コロナウイルス
  • 第一回目の緊急事態宣言

あれはコロナ禍のはじまり、
ほとんどの学校や幼稚園は
完全休校・休園

になりましたよね。

息子が通う幼稚園も
例に漏れず、
3月~5月まで休園。

アマミ
アマミ

息子の就学活動
本格化!!

と、やる気モードだった私は
完全に出鼻をくじかれました。

白紙化した私の計画と、ストレスフルな息子の癇癪

  • 幼稚園にも療育にも行けない
  • 情報が、先行きが、
    全くわからない。

いったいどうしたら…。

息子の幼稚園生活最後の年
「就学先選びがんばるぞー!」
という私の気持ちをポキッと折ったコロナ禍

白紙になった私の予定
  • 学校見学は他の地域も含め行けるだけ行こう!
  • 児童発達支援センターや
    教育委員会の就学の説明会に参加しよう!
  • 放デイ探しも本格的にやろう!
  • 就学相談、
    4.5.6月は大忙しだ!!

全部白紙になってしまった
当初の計画…。

しかも息子は
いつもと変わらぬ毎日やルーティンが大好きな性格。
それなのに・・・コロナでガラッと変わった生活。

息子
息子

ストレスがすごかったよー!!

成長を望むどころか
後退気味。

奇声・物投げ・癇癪…
とにかく大混乱!!

そんな息子の状態も
私の気持ちをポキッと折るのに
一役買っていたのでした。

はじめての就学相談がスタートするも…

2020年5月就学相談の受付開始!

息子との毎日を生きる
ことで精一杯だった私。

それでもなんとか時は過ぎ

2020年5月!
就学相談の受付が開始
されました!!

ちなみに就学相談とは、
子どもが発達段階や障害特性に応じた
教育を受けられるようにするため
自治体の教育委員会が実施するもの

  • 保護者との面談
  • 子どもの行動観察
  • 医師の診察
  • 発達検査

などを行ったり

学校関係者の意見も
聞いたりしながら
その子に適した就学先を決めていきます。

コロナ禍で情報がつかめず…しかも日程はかなり先!

私は休園期間中、
わけあって療育施設に行くことがあったため
就学相談の情報を掴めましたが、
もちろん知らない人もいたようです。

通常とは違い、
みんなが情報に触れる所に出入りしていないから
就学に不安がある親子は多いようでした。

しかも就学相談は
空いてる日程はかなり先
でした。

アマミ
アマミ

1回目の面談が
なんと7月末
でした!

(1日の人数を絞ってたのもあるかも)

  • 例年あった就学の説明会や、
    先輩ママのお話を聞く会などは中止。
  • ママ友と話す機会もない。
  • 療育の先生との面談もない。

情報も相談相手も
激減していました。

就学相談の予約は取れましたが
例年と比べて
無い無い尽くしの状況

戸惑う私。

…そこで
あることを始めました!

本の出版を通して見えてきた、息子の進学先

SNSで知り合った障害児ママからの情報をまとめた一冊

アマミ
アマミ

SNSで知り合った
先輩障害児ママたちに

就学先選びについて
色々聞いてみよう!!

そしてそれを
本にしよう!

「どんなに進路に悩む障害児ママでも
バシッと就学先を決められるようになるすごい話」

こちらの電子書籍は
この時に執筆したものです。

アマミ
アマミ

私が困ってるんだから、
世の中の障害児ママたちは
みんな困っているはず!

何か少しでも
みんなのお役にたてれば!!

そんな想いで始めましたが

単純に、
私が息子の就学先選びのために
情報をまとめたい!!

という気持ちも強かったです。

障害の程度や特性、進学先も様々。先輩障害児ママからの話

普通級・支援級・支援学校…
それぞれを選択した
先輩障害児ママや、

支援級→支援学校への
転籍を経験したママ
にも話を聞きました。

障害の程度も特性も
様々なお子さんたち。

彼らのどんな所に注目し
何を決定打に
進路を選んだのか。

そしてその後
どんな学校生活を送っているのか。

それらは私にとって
息子の就学先を判断する
重要な指標
になりました。

正しい情報、当事者の声を知って自覚したこと

更に、本を作るとなると
正しい情報に気を使います。

特別支援教育や就学相談。
一次情報を中心に
色々と調べました。

異例続きの就学活動。

その不安を解消するために
情報を集め
電子書籍の出版をした私。

本を一冊出版するまでに、
私の中で息子の就学先について
かなり答えがまとまっていった
のです。

その中で、
はっきりと自覚したことがあります。

それは、
息子は障害の程度的には
特別支援学校が妥当だろう
ということ。

強い抵抗があった、特別支援学校への進学。

正直のところ、
私はもともと
特別支援学校に
強い抵抗がありました

偏見はよくない。
良い親だと思われたい。

そんな見栄もあり
ずっと自分の本心に
あれこれ理由をつけて
蓋をしてきたんだと思います。

何が嫌だということもなく
漠然と抵抗があった。

自分でもそのことに対して
見ないふりをしていた。

だからずっと
支援級を希望していたんだと
思いました。

アマミ
アマミ

息子はおとなしい。

座って授業を受けられる。

他害もしない。

支援級の教室にいても
そこまで手はかからないだろう。

これまで、
そんな風に思っていました。

息子にとって最適な就学先は?ごまかしてきた自分の本心。

だけどそれは
息子が支援級にいっても
なんとかなりそうな理由

でしかなく、

息子にとって
支援級が最適である理由ではない

ということをようやく自覚したのです。

色々な人の経験談を聞き、
それぞれの学びの場の特徴を
しっかりと理解することで

私は息子のことを
これまでになく客観的
見ることができたと思います

そして、
ごまかしてきた自分の本心
ようやく向き合うことができた
のでした。

「子どもの就学先を最終的に決めるのは親」

アマミ
アマミ

息子は障害の程度的には
特別支援学校が妥当かな。

とは思いましたが、
それで進路を特別支援学校に
決めたわけではありません。

なぜなら、ここまで
先輩ママたちや
就学に関する資料の中で
何度も見聞きした話があったからです。

それは

子どもの就学先
最終的に決めるのは親

だということ。

これはあたり前のようでいて
忘れがちなことです。

就学相談で教育委員会から
どんな判定が下りても
そこに決定権はありません。

周りが何と言っても
最終的に決めるのは親です。

障害が重い子でも
普通級を希望することはあるし、
障害が軽い子でも
支援学校を希望することはあります。

就学先は、
障害の程度だけではなく
その子の性格や特性など
あらゆることを総合的に見て、

様々な専門家の意見を聞きつつ、
最終的に親が決めるものだからです。

比較的「扱いやすい」息子だから、捨てきれなかった想い。

ここで改めて
息子の状態を整理してみると

年長当時の息子の状態
  • 自閉症
  • 手帳の等級は
    重度寄り中等度
  • オムツ
  • 食事は自立
  • 感覚過敏なし
  • 他害なし
  • 知的障害
  • 発語なし
  • 身体障害なし
  • 偏食なし
  • 多動なし
  • 指示は一部通る

おとなしくて慎重な性格の息子は
この障害の重さにしては
集団に馴染みやすく、

園や対人関係で
トラブルが起きたことは
一度もありませんでした。

また、
脱走などの危険もないと
認識されていました。

そのため
比較的「扱いやすい子」
という印象でした。

知的の遅れは確かに大きい。

でも息子は
幼稚園生活で周りに影響されて
成長が促された部分も大きかった。

単純に、
支援学校に決めてしまっていいのか
決断しかねる所がありました。

支援学校かなと思いつつも
支援級の選択肢も
捨てきれなかったのです。

息子を知る先生方にも相談!専門家の見解は?

息子の主治医からのお話。

そんな中、
1回目の就学相談が迫っていました。

私一人では判断しきれなかったので
息子のことをよく知っている
先生方にも相談してみました。

息子は1歳半の頃から
大きな病院の小児神経科で
定期的に発達について
診てもらったり
検査したりしていました。

ちょうど定期診察があったので
主治医の先生に
就学について相談してみたのです。

主治医の先生からのお話は…

主治医
主治医

支援学校ももちろんいいけれど
支援級の可能性も十分あるよ。

  • 社会性を伸ばすことを考えたら
    支援級。
  • 個別にしっかり見てくれる
    手厚さでいったら
    支援学校。

だね!

アマミ
アマミ

(そうなんだ…!)

主治医
主治医

ただし…
支援級の不安要素もあるよ。

①どこまで息子のペースに
あわせてくれるか。

②息子が授業についていけない時
ちゃんと見てくれる人員が配置されるか。

言葉がなく、字も書けず、
えんぴつを舐めるだけに
なってしまうなら

支援級にいっても
大切な時間がもったいない。

周りへの迷惑より
本人のメリット』
あるかどうかが大事

アマミ
アマミ

(息子のメリット…!!)

主治医
主治医

普通級も支援級も
先生の能力次第で
十分のびることがある。

逆に先生がよくなかったり
相性が悪いと、

普通級に行ける子も
支援級の方がよかったり

支援級に行ける子も
支援学校がよかったり
することもある。

だから、

  • 学校見学
  • 就学相談
    (支援体制をよく聞く)
  • 最新の発達検査の結果

これらを見て判断するといいよ!

ということを言われました。

息子に将来どうなってほしい?幼稚園の園長先生との面談

息子は当時
週2日療育に、
週3日幼稚園に通っていました。

息子の就学先について
療育の先生とは
2週に1度くらいのペースで
面談があったこともあり
既に色々と相談していました。

でも、幼稚園の先生とは
あまり息子の就学について
話したことがありませんでした。

そこで
幼稚園の担任の先生と
園長先生に
面談の機会を頂くことに
なりました。

面談の日、
まず園長先生が私に聞きました。

園長先生
園長先生

お母さんは息子くんに
将来どうなってほしいですか?

私は応えました。

アマミ
アマミ

私は将来、
息子を
障害者雇用枠で
一般企業に就職させ
られたらいいな
・・・と思っています。

息子の障害の重さでは
難しいかもしれない。

それでも「目標」だから。
これくらいの高いゴールを据えて
がんばろうと思っていました。

すると園長先生は、

園長先生
園長先生

息子くんを
「障害者雇用枠で
一般企業に就職させたい」
というのは
絶対にムリな願いだとは思わないですよ。

できる可能性はあると思う!!

とおっしゃいました。

そして、
そのために大切なこと
お話しくださったのです。

障害児が「就職」するために必要な3つのこと

会社に就職するなら
まず大事なことは2つ。

  • 気持ちを落ち着かせて一定に保つこと。

言葉を話すよりも
そちらの方が大事だということ。

なぜなら働いている時って
そんなにたくさん話さないから。

そして、

  • 身辺自立

息子の場合
食事は問題なく1人でできるが
トイレの自立ができていない。

トイレの自立ができると
かなりできることや
可能性が広がると思う

と言われました。

つまりは

①気持ちを落ち着けて一定に保てるようになる

②身辺自立

この2つが、息子が将来
私が理想とする道に進むために
一番大事な土台
だということなのです。

これは私も大いに納得しました。

そしてその次に必要なこと。

それは、

  • コミュニケーション
    (自分の気持ちを伝えること)

社会に出て
周りから変に思われたり
理解されなかったりした時、

「自分がなぜそうしたのか」を伝え

「相手にとって
悪いことをするつもりはない」
と伝えられるのは大事なこと。

言葉でも、
ボディランゲージでもいいから
自分の気持ちを相手に伝えること。

噛みついたり
頭突きをしたりするのではなく
正しい方法で気持ちを伝えること。

だから就学先では
まずは身辺自立。

それから
コミュニケーションが
求められるのではないか。

というお話でした。

息子の長所を大切にしたい!固まってきた就学先

息子の状態を見ると
支援級で
これらの能力を
身につけるのは
正直荷が重い気がしました。

やはり支援級は
身辺自立というより
「教科の学習」

をする所だったからです。

園長先生は
こうも言ってくれました。

園長先生
園長先生

息子くんは障害があるけど、
愛嬌がありますよね。

周りを傷つけたりしないし
皆から愛されている。

これからもそんな
愛されキャラという長所
大事にしていってほしいです。

アマミ
アマミ

ありがとうございます…!

息子の長所を守るために
どんな進路がいいのか。

私の中でだいぶ気持ちが
固まっていきました。

息子の自立した将来を見据えた、就学先。

アマミ
アマミ

息子には

特別支援学校がいい気がする!

1年前は確かに
支援級を希望していました。

でも、

①息子の成長具合

②先輩ママ達からの経験談

③先生方からのお話

それらの情報が少しずつ
私の気持ちを変えていきました。

この頃には
全く無理なく自然な流れで
「息子の進路を特別支援学校に」
と考えられていたのです。

一番大きかったのは
息子の将来を
見据えてどうか

という視点かもしれません。

目の前のみんなと同じように
「普通の小学校に行く息子」より、

10年先20年先の
「自立した大人になった息子」

の方がよっぽど価値がある
と思ったのです。

ちなみに
子どもの進路というと
私の意見だけでは
決められないものです。

夫の気持ちはというと・・・

夫

支援学校でしょ!!

と、あっさり返事が返ってきました。

なので逆に私が

アマミ
アマミ

え!!
本当にいいの?


と問い詰めたくらいでして…
あまりにさらっとした流れでした。

年長編②へつづく…

ABOUT ME
べっこうあめアマミ
べっこうあめアマミ
障害児ママライター
ライター&イラストレーター。知的障害を伴う自閉症の息子ときょうだい児の娘を育てながら、電子書籍作家としても活動しています。「ママがしんどくて無理をして、子どもが幸せになれるわけがない」という信念のもと、「障害がある子ども」ではなく「障害児のママ」に軸足をおいた発信を続けています。
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