SNSで目にする「民間療育」とは?探し方や実際に利用した本音
時々SNSなどで、「民間療育」という言葉を目にします。
でも、
この「民間療育」ってなんだ?
…と思っている人、実はけっこういるのではないでしょうか。
最近とあるSNSを偶然見ていて、この素朴な疑問を抱えている人がちらほらいることに気が付きました。
子どもが療育の世界にズブズブになっていると、ついこういう発達や療育に関わる言葉や略称を当たり前のように使ってしまいます。
でも、通じているつもりで話していることが通じていなかったら、なんともむなしいものです。
今回は、そんな「民間療育」という言葉について、記事を書きたいと思います。
この記事を読むと「民間療育」について疑問が解決できますので、ぜひご覧ください。
そもそも療育とは?専門家が様々な角度から発達をアプローチ
民間療育の話の前に、そもそも「療育」ってなに? 今更聞けないけどよくわかんない…
という人のために、まずは「療育」についての話をしましょう。
療育とは、障害がある子どもや、その疑いがある子どもに対して、「治療をしながら教育(保育)する」ことです。(参考:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ))
その子が将来的に社会に出たとき、なるべく困りごとをなくして生きていきやすくなるように、専門家が身辺自立や言葉などを、様々なアプローチで促していきます。
もっと詳しく説明すると、私の本の中でも療育について書いている箇所があるので、下に一部抜粋します。
具体的にどんなことをやっているかというと、施設によって特色があり、微妙に違います。
運動を積極的にさせる療育や、音楽に重点を置く療育、マンツーマンで短時間に集中して行う療育や、少人数のグループで活動する療育、机と椅子を使ってお勉強のような時間を設けている療育や、自由に遊ぶことに重点をおいた、手厚い保育園タイプの療育。
親子一緒に受ける療育もあれば、母子分離で完全に幼稚園や保育園のようなスタイルで行う療育もあります。
ですが、保育園や幼稚園でやっていることを、より個々に目が届きやすい人数で、一人一人の特性にあわせて行っているというイメージを持っていただければ、あながち間違いではないかなと思います。
引用:「わけあって引っ越しました。」第一章 息子のこれまでのこと
はっきりした定義づけがあるわけではないですが、「療育」についてイメージできたでしょうか。
「民間療育」とは?質の良い施設もたくさんある
では、本題に入ります。
みんなが言う「民間療育」とは何なのか。
それは、検診でひっかかった時や、保健センターに相談した時に最初に紹介される「発達支援センター」みたいな所以外で療育を行っている事業所のことです。
逆に「発達支援センター」の療育を「公立療育」と呼んでいる親御さんたちもいますね。
しかし、そういう「発達支援センター」だって、実は自治体が民間の非営利企業などに委託している場合もあると最近知ったので、一概に「公立」とも言えないのではないかと思っています。
とにかく、療育における「公立」「私立」の分け方は人によってさじ加減があいまいで、これといった定義づけもないので、なんとなくニュアンスで感じるしかない所もあります。
ただ、分けて話す大多数の親御さんは、一番最初に保健センターで紹介されるような「発達支援センター」の療育を「公立療育」、それ以外の療育をすべてまとめて「民間療育」と言っているのではないでしょうか。
よく、まだ1歳くらいの子をもつお母さんだと、療育って発達支援センターでしか受けられないと思いがちだと思うのですが、そんなことはありません。
他にも療育を受けられる場所はあります。
誰も教えてくれないだけで、実際にはとても質の良い施設もたくさんあります。
ただ、親切な自治体だとこの「民間療育」の紹介や斡旋を丁寧にしてくれるのですが、そんなことない自治体も多いのが実態です。
だから、障害児ママたちは、まずはこの「民間療育」の存在を知り、自分でネットで調べる所から始めなくてはなりません。
なぜ民間療育に通うの?実際に民間療育を選択した理由
さて、そうは言っても
よくわからない民間療育より、公立のとこが一番いいんじゃないの?
という声が聞こえてきそうです。
たしかに、そのまま保健センターからの支援のレールにのって、発達支援センターの療育につながれたなら、それが一番ベストかもしれません。
でも、今は療育を望むお子さんがめちゃくちゃ多いのです。
どんどん増えています。
ですから、「はい、療育受けたいです!」と言ってもすぐには受けられません。
一年待ちとかザラです。!
でも、ただでさえ発達に課題があって家で見るのがたいへんな子を、そんなに長くお母さん一人で見るって、つらすぎますよね。
幼稚園や保育園だって、発達を理由に断られるかもしれないのに。
そんな時、もうひとつの選択肢として登場するのが「民間療育」なのです。
実際私も、本命の発達支援センターの療育の順番待ちの間にどこかに通わせたくて、民間療育を考えました。
そして、通ってみたらそこがすごく良い施設で、そのまま通い続けました。
しかも療育は、民間でも公立でも、いくつも併用できます。
極論を言えば、週5日、5か所の療育に通ったっていいのです。
ただ、守らなければならないルールは、同じ日に2か所の療育に行くことはできない、ということです。
これさえ守ればいくつでも併用OKです。
実際、あまりいくつも併用すると、子どもが混乱してしまう心配がありますが、2、3個の療育を併用するのは本当によくある事です。
週5日どこかに通わせたいけど5日も空きがある施設がない、そんな時に療育の併用を考える人は多いです。
もしくは、療育も施設によって特色や、在籍する専門家の種類が違ったりしますから、子どもにいろんな刺激を受けさせたい、また違う方向からも発達を促してみたい、という考えから療育を併用するのも全然アリだと思います。
「民間療育」どうやって探す?3つの調べ方
そうは言っても、
だれも教えてくれない民間療育を、どうやって探したらいいの?
と不安に思いますよね。
実は、そもそも未就学児の療育は、正式名称では「児童発達支援」というのです。
そして、いわゆる公立療育の施設を「発達支援センター」「児童発達支援センター」などというように、民間療育の施設は、「児童発達支援事業所」などと呼びます。
インターネットで、
- 「自治体名 児童発達支援」
- 「自治体名 児童発達支援事業所」
などと検索して調べてみてください。
もしくは、こちらから、
民間の児童発達支援事業所を紹介してほしい。
と、保健センターや発達支援センター、障害者福祉センターや役所の福祉課などに問い合わせてみると、何か紹介してくれるかもしれません。
あとはママ同士の口コミですね
とにかく地道に積極的に動くことが大切です。
どんな療育でも、子どもにあった場所が一番
「民間療育」と言われるものについて色々と書いてきましたが、まだまだ、「なんとなく民間って不安…」という人もいるかもしれません。
でも、公立療育の方が民間療育より優れているということもないし、民間療育だって、「学園」とつくような大規模施設もあります。
病院がバックについているところもあります。
それに、民間療育だけ通って小学校に上がる子だっています。
民間、公立にとらわれず、その子に一番あった療育先を見つけて、通わせてあげたいですね。
次の記事では、「児童発達支援」と、そこに密接に絡んでくる「受給者証」について更新しています!
理解をさらに深めたい方はぜひご覧ください。