いまさら聞けない?児童発達支援と受給者証について詳しく解説
前回「民間療育」についての記事を書きました。
そちらに出てきた「児童発達支援」について、記事内では書ききれなかったので、別記事として改めて書くことにしました。
「児童発達支援」と、そこに密接に絡んでくる「受給者証」について、よく知らない人はぜひチェックしてみてください。
実は「療育」は、正式名称ではない
「療育、療育」って言いますけど、実はみんなが療育と呼んでいる、未就学の子が通う施設の正式名称は、「児童発達支援」と言います。
「児発(じはつ)」と略されたりもしますね。
児童発達支援は、児童福祉法でこんな風に定められています。
第六条の二の二 この法律で、障害児通所支援とは、児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援及び保育所等訪問支援をいい、障害児通所支援事業とは、障害児通所支援を行う事業をいう。
○2 この法律で、児童発達支援とは、障害児につき、児童発達支援センターその他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
引用:児童福祉法|電子政府の窓口 e-Gov
出典:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail…
ちなみに、児童福祉法にも記載がありますが、小学生以上の子が受ける療育は、「放課後等デイサービス」となります。
児童発達支援と違い、学校が終わった後や休日に行く場所になります。
「受給者証」は療育と切っても切り離せない存在
児童発達支援は、障害があったり、もしくはその疑いがある未就学の子どもが通う施設ですが、「受給者証」を持っていると1割負担の費用で通うことができます。
「受給者証」は、各自治体が発行するもので、役所の障害者福祉に関係する部署、福祉事務所などに問い合わせる必要があります。
私はわけあってこれまで3つの自治体で受給者証を発行してもらったことがありますが、地域によって扱う窓口が違いました。
ですから、注意が必要です。
受給者証が無くても通える場合もありますが、基本的に児童発達支援を利用するなら、受給者証は取得したほうがいいでしょう。
受給者証と療育については、私の本の中でも少し触れていますが、基本的に児童発達支援にあたる事業所だったら、受給者証は使えるのではないかと思います。
ちなみに、大事なことですが、受給者証を発行するために、障害の診断が完全におりている必要はありません。
障害者手帳とは違い、障害があると証明するものではないからです。
日本には本当に様々な形の療育があるので、受給者証の要不要、もしくは医療証が必要だったりと、色々なパターンがあります。
次に、「受給者証が必要ないパターンの療育」について、紹介します。
受給者証が必要ないパターンの療育
低年齢児向けの低頻度の療育で、親子一緒に行う1時間程度のもの
息子がまだ2歳くらいの時、当時住んでいた地域の発達支援センターで、親子で参加する親子教室のような活動に参加していたことがありました。
療育のような内容で、月に1回か2回ほど行われていました。
でも、これは受給者証を特に求められず、費用も無料でした。
通っていた施設は発達支援センターでしたが、こういう事業を行っている施設もよくあります。
受給者証は使えないが、医療証を使える
これは過去に一か所だけ出会ったことがあるのですが、ことばの教室で、受給者証ではなく医療証を使えると言われたことがあります。
そこは病院でした。
病院だから医療証なのか…と納得したのですが、別にお医者さんがみてくれるというわけではありません。
言語聴覚士さんによる、療育のような内容でした。
ただ、病院なので、最初にお医者さんの診察をうける必要がありました。
比較的高額で、独自路線の強い療育
受給者証を使わない療育というと、このパターンが一番多く、みなさんの頭の中にも浮かぶものなのではないでしょうか。
言葉の教室、音楽療法、もしくはABAやモンテッソーリなどのより専門的な教育を行う教室などで、「受給者証が使えない療育」が時々あります。
受給者証は使えないけれど、確かにこれは療育です。
このタイプの療育は、「児童発達支援」に縛られないからか、私はけっこう独自色の強いものが多いなという印象を受けました。(全てそうではありません)
中にはすごく画期的なものもあると思うのですが、いかんせん、受給者証が使えないので自己負担が高額になります。
週〇日、というペースで通うのは厳しいので、スポット的に通ったり、月1回程度通ったりする人が多いのではないでしょうか。
まとめ
児童発達支援と受給者証について書きましたが、実は受給者証は、児童発達支援以外の療育や福祉サービスでも必要になります。
その場合はまた別の受給者証を新たに発行することになるのですが、同じ「受給者証」という言葉だと、勘違いしてしまうこともあります。
例えば、放課後デイサービスの受給者証、移動支援の受給者証、児童発達支援の受給者証は、それぞれ別物で、別のサービスを受ける時は、新たな受給者証をとらないといけません。
「受給者証」という言葉は、障害児育児において、成長とともに形を変えながら、ずっとおつきあいしていく言葉になります。
受給者証をうまく使いながら、いろんなサービスを利用して、少しでも負担を減らしていきましょう。